2014/09/01

[登山]南アルプス南部(三伏~荒川~赤石~聖~椹島)の登山記(0~2日め)

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 8/25~8/31に、南アルプス南部を登ってきました。静岡の奥深くでアクセスの悪い場所なので、当初は塩見~光岳まで縦走する予定でした。しかし、晴れたのが半日だけで他の日は雨と天気が悪く、他の事情もあって聖平で打ち切りとしました。

 以下に、歩いた行程を示します。
8/25 : 東京→伊那大島駅(泊)
8/26 : 伊那大島駅→鳥倉ゲート→三伏峠小屋(泊)
8/27 : 三伏峠小屋→小河内岳→板屋岳→高山裏避難小屋(泊)
8/28 : 高山裏避難小屋→荒川前岳荒川中岳→荒川小屋→小赤石岳→赤石岳→赤石岳避難小屋(小屋泊)
8/29 : 赤石岳避難小屋→百間平→百間洞山の家→中盛丸山→兎岳避難小屋(泊)
8/30 : 兎岳避難小屋→聖岳→聖平小屋→聖岳登山口→椹島(泊)
8/31 : 椹島→畑薙第一ダム臨時駐車場→赤石温泉白樺荘→井川駅→千頭駅→静岡駅→東京

 それでは、初日から1日ずつ書いていこうと思います。

0日め


 0日めは、塩見岳への登山口となる伊那大島駅まで、電車で移動しました。具体的に書くと以下のような行程です。移動は貧乏学生らしく青春18きっぷでした。

最寄り駅→立川(17:54)→岡谷(21:15/21:39)→伊那大島(23:30)
 
 立川では、夕食と翌日の朝食のお弁当、ベーグルを買いました。エキナカ(ecute立川)にもお弁当屋がありましたが、改札外にはとんかつまい泉や米八などの惣菜弁当屋があったので、そこで買いました。あと、出来れば魚ではなく肉が食べたかったので、Meat dining Takagiというお店で炙りステーキ丼を買いました。

 買い物を済ませたら、中央本線に乗って岡谷まで移動しました。3時間半もの間、同じ電車に乗るのは結構辛かったです。暇潰しに、「ディファレンス・エンジン(上)」という本を読んでいました。文庫本も200g位はあるのでしょうが、持ってないと死んじゃいますね。
 中央本線、大月までは割と混んでいるので、ボックス席を優雅に使うというローカル線ならではの贅沢が出来ず、窮屈な車内でした。

 岡谷からは飯田線に乗り換えます。2両でこれが終電だったのですが、車内はそれなりに人が居ました。びっくりしたのは、車内に何匹か虫がいたことで、虫嫌いの自分はあまりいい気分ではなかったです。「これは東京では考えられないなあ」と驚きました。

 駒ヶ根でほとんどの人が降り、伊那大島手前では乗客は我々だけになりました。暫く走った後、伊那大島駅に降りると、周りは真っ暗。駅舎の灯りだけが煌々と輝いてました。
 駅前にタクシーがおりまして、運転手の人(運ちゃんと口では言うが…)が、近くにコンビニがあるよ、駅の電気は付けっぱなしだよと親切に教えて下さいました。お弁当を食べ、コンビニで少し補給を済ませたら、駅舎のベンチで寝ました。

まとめ

  • 伊那大島で駅寝は出来る。ベンチが4つくらいある。駅舎は電気付けっぱなし、トイレもある。駅前に自販機。これらはストリートビューで確認できる。
  • 近くにセブン-イレブン 松川町役場前店がある。徒歩3~5分程度。

1日め


1日めは以下のような行程でした。
伊那大島駅(05:00)→鳥倉林道ゲート(06:05、水、WC/06:22)→登山口(07:02)→三伏峠小屋(10:31、停滞)

 朝、コンビニでヨーグルトを買って、駅に戻って食べました。しばらくすると、昨晩のうちに呼んでいたタクシーが5時に来たので、荷物を積んで出発しました。鳥倉林道起点のある大鹿村までは、長野県道59号→22号→国道152号と走っていきます。県道59号はずっと山間の谷沿いの道でしたが、よく整備されている綺麗な道でした。国道152号は塩の道として有名な秋葉街道で、これを走って大鹿村中心部へと入っていきます。

 鳥倉林道はとにかく長い林道でした。しかも、くねくねとした道をどんどん登って行きます。県道と比較すると落石なども見られますが、運転手の人曰く、ここの整備は伊那バスが運行開始前にやっているとのこと。その分、ゲート先の登山口までバスは入れるのだとか。
 
 ゲート迄の運賃は\12,000程度でした。1時間程度で着いたので、バスよりも早く来たい人にはおすすめです。
 ゲートにはトイレがありました。水道?もありましたが、飲用水なのかは但し書きがなく謎でした。エアリアに水マークがあるので、ここで2L汲んじゃいましたけど。ゲートの場所は、バス停で言うと「越路」というところで、塩川の方に抜ける道がある筈なのですが、登り口は見当たりませんでした。

 ところで、私の持っていたの古い1/25000地形図には、鳥倉林道は途中までしか書かれてませんでしたが、この林道、一体どこまで伸ばすつもりなんでしょうね?

 登山道から三伏峠までは、登るにつれ雨が降ってきたので、あまり何も考えないようにして歩いていました。なので、特に書くことはないです。行程を示す看板(3/10とか)はありましたが、距離でなのか(多分そう)、精度はどうなのかとか、ちょっと疑問でした。

 小屋に着いた時には土砂降りだったので、三伏⇔塩見のピストンは断念。テントで寝ました。

 午後4時頃、日が暮れる時間になると雨も上がり、テン場から塩見岳の雄姿を見ることが出来ました。距離があるので小さいながらも、本で見るよりも格好良く、登れなかったことを残念に思います。

まとめ

  • 鳥倉まではタクシーで1時間、バスより早い。ゲートからの徒歩を含めると、所要時間は大差ない。
  • 鳥倉ゲートにはトイレ、水場あり。
  • 三伏峠小屋のテン場は、docomoの電波は入ります。
朝の秋葉街道です

鳥倉林道

ゲートから、登山口の方へ続く林道を眺める

ゲート近くの駐車場です。テントを張っている方が1組いらっしゃいました。奥の建物がトイレで、その手前に蛇口があります。

ゲートです。越路のバス停が見えます。


鳥倉登山口です。仮設トイレが見えますが、使えるかは知りません。まだまだ林道が続いているように見えます。

鳥倉登山口

このような林を登っていきます

ホタルブクロの仲間か。ここ以外では見かけることがなかった。

塩川林道との分岐から先は、このような登りが続きます。雨の日にはつらかったです。

三伏峠はもうそろそろのはずなのですが、先は見えません。

三伏峠につくと、雨は土砂降りに…。

夕方、三伏峠のテン場から見えた塩見岳です。夕焼けで綺麗に染まってます。

水場から見る塩見岳

2日め

この日は、高山裏避難小屋まで歩きました。
三伏峠(02:30)→烏帽子岳(03:38)→小河内岳(05:04)→板屋岳(07:22)→高山裏避難小屋(08:29)

 まずは朝早くに三伏峠を出発しました。周りはまだ真っ暗闇で、昼間ならば綺麗であろうお花畑の脇を、無心で登っていきます。三伏峠付近は2500m程度あるのですが、樹林帯の中なので木しか見えません。唯一のアクセントが、ヘッドライトに照らされたマツムシソウの紫色でした…。

 しばらくするとハイマツ帯に入りますが、昨日に引き続いてガスが濃く、展望はほぼ0。地形図だとこの辺りは長野側が崖になっているらしいのですが、それすらも分かりませんでした。霧の中で景色も変わらず、ちょっとしたアップダウンをこなしていくだけなので、なかなか憂鬱になれる稜線です…。

 そんなわけで、この日特に印象に残るようなことが無かったです。小河内岳の山頂が意外と広く、避難小屋も見えませんでした。直前の分岐から3分のところらしいんですけどね。新しくなったと聞いたので、ちょっと残念です。

 ここから高山裏避難小屋までは、森林限界を越えたり、樹林帯に戻ったりの繰り返しが続きます。この樹林帯はとても鬱蒼としていて、左右にはずっと木々が並んでいます。この区間の怖いところは、左右どっちに行っても、何kmも先まで人の生活圏に帰れないところです(長野川は小渋温泉跡が近いかも)。なので、稜線から外れたら、大井川源流の広大な森林の中を何日も彷徨うことになりそうなんです。山に入ると、途端に人里恋しくなる人間なので、この事実が一番恐ろしい…。

 小河内岳を出ると、次の大きなピークは大日影山です。しかし、大日影山はどうも標識がないようでした(見落としただけかも)。整備された登山道なので、そこまで地形図を見ていたわけでもなく、「あれ、ピークがいつまでたっても出てこないな」と思ってたら、板屋岳に着いてしまったんです。ちなみに、大日影山の手前、地形図でいうところの2599mピーク付近は、二重山稜のような地形になっていました。

 板屋岳の近くには、崩落地の崖の際を通る場所があったように思います。この辺りになってくると、お花畑が時々出てくるようになってきました。

 高山裏避難小屋には10時前には着きました。まだまだ行動する時間に余裕があったのですが、班員の体力などを考えて、ここまでとすることにしました。
 

 水場は、小屋のすぐ脇から、近くの沢に降りていったところにあります。

 この日は雨のせいで濡れに濡れて、もう水なんて御免被りたいというくらいでした。しかし、浴びるほど雨は浴びたのに、飲める水となると、運良くちょろちょろと湧き出ている沢を見つけないと確保できないなんて、ほんとうに滑稽な話ですね。
 翻って、都会のことを考えると、「蛇口をひねれば、綺麗な水がどこでも出てくる」という都市インフラって凄いんだなあと思わずにはいられません。都会人からしたら、当たり前の話なんでしょうけどね。

まとめ

  • 大日影山には道標が見当たらなかった
  • 高山裏避難小屋の水場は、小屋から数分。小さな沢がある。美味しかった。
  • 高山裏避難小屋のテントサイトは、小屋から荒川方向に1分ほど行ったところ。小屋に近いところから順にNo.1、No.2、…となっている。結構平らに均されていてよい。電波はdocomoが○
ヘッドライトに照らされて、暗闇に浮かび上がるマツムシソウ
烏帽子岳の道標
森林限界を超えると、ハイマツ帯の稜線…のはずですが、ガスで視界ゼロ、何の感慨もありません。
小河内岳手前にある、避難小屋への分岐
こっち方向に避難小屋があるはずなんですが…。後でググってみたら、ここから結構左側のほうにあるみたいですね。
小河内岳山頂です。右側に見えるのが二等三角点です。余談ですけど、上河内岳と小河内岳はペアになっているものだと思ってましたが、かなり離れてますよね
時々森林限界より下に降りて、このような超鬱蒼とした樹林帯に入ります。
時々気休めのように、こんな感じの開けた場所に出ます。
三伏~高山裏には、このようなマルバダケブキの群落が結構あります。こんなところにまで鹿が来たのでしょうか…。ちなみに、自分からすると大きめの丸い葉がかなり不気味です。
大日影山手前の、二重山稜と思しき場所。
登山道脇のお花畑
シーズンが終わって、萎れかけたマツムシソウ
板尾岳にある道標。ピークはとても分かりにくい。
花がまだ残っていた、崩落地近くのマルバダケブキ群落
歩いていると、これまたマルバダケブキの向こう側に高山裏避難小屋が見えてきます。
高山裏避難小屋はこんな小屋です。
小屋前にある、水場への分岐の看板です。
水場
水場
テン場から長野側の展望

3日目以降は、次の記事に続きます。

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